2020年2月号

理士 白井 清一

確定申告

 いよいよ今年も所得税の確定申告シーズンがやって来ました。個人は1年間の所得を基に、今年は、2月17日から3月16日までの間に昨年1年間の所得税の清算をすると言う事になります。また、過去に申告した内容に誤りがあった場合には5年間遡って申告内容の是正を税務署に求めることもできます。

 この確定申告書の件数ですが国税庁の発表によれば、平成30年分の申告件数が349万人(平成21年分は379万件)で、この内納税額がある人は全体の26%の91万4千人となっています。

 さらに、この納税額のある申告者91万4千人の中で事業所得者の数は25万5千人となっています。つまり、八百屋、魚屋などの小売業、また、建築業や工場などの事業をやっていて納税できる程度の利益がある人は、全国でこの程度の人数だと言う事です。

 この確定申告ですが少し前までは紙の申告書を税務署に提出して申告していましたが、最近は「e-Tax」と呼ばれるコンピューターによる電子申告方式が大半を占めるようになりました。

 紙の申告書の時代は、暮れの内に青色決算書、年明けには申告書の用紙などが税務署から郵送されてきましたが、今は、これらがほとんど送付されることは無くなりました。

 データについても昔は紙のまま管理されていましたが、その後、税務署側で紙の申告書から手作業でコンピュータへデータ入力するようになり、今は、e-Taxによる申告と言う事で納税者側がデータを入力することにより申告するようになりました。

 徴税のためのコストを考えると、申告書などの作成費用・郵送料またデータ入力のための人件費や設備費など、公表はされていないようですが、納税者の努力によって相当多額な経費が削減されていると考えられます。

 確定申告により納税する人、医療費などで還付を受ける人、また、昨年の台風の災害などで被害に遭われた人などおられましたらMBCの担当までお気軽に声をかけて頂きたいと思います。

税理士 中山 吉晴

安くなる税金、ならない税金  その2

今月は工夫の余地が大きい(安くなる)税金の話です。

法人税、所得税の事業所得の場合
法人税も、所得税の事業所得も計算方法はほぼ同じで、どちらも利益が課税対象となります。
利益は、収入(売上、雑収入など)から費用(給料、家賃、利子など)を差し引いて計算しますから、収入を減らすか、費用を増やさないと、利益(課税対象)は下がりません。
つまり経営者が絶対にやってはいけないことを、やる必要があるわけです。

税金を減らすためとはいえ、「売上を減らしたい!」と思う経営者はいないでしょう。
ただ、前金制(スイカや商品券など)の場合は、入金はあっても、売上は後なので、とりあえず税金はかかりません。(後日売り上げた時、入金もないのに税金がかかりますが)
売上を抜くのは当然脱税で、隠したお金が表で使えないのも、致命的な弱点です。
そのため今や、売上を抜く経営者は、開業したての社長を除き、ほぼいないと思います。
(スクラップ収入や車の売却代などを漏らす人はいますが、結構な確率で見つかっています)

売上と同じで、費用を減らしこそすれ、増やしたいという経営者はいませんが、家計費(個人的な飲食や電気代など)を会社の費用にするのは、社長にすると都合のいい方法です。
でも、やはりばれると脱税になり、個人法人ダブルに課税、罰金も含め90%以上の税金となります。
費用にするには「事業のために必要である」ものでなければなりません。
個人的な飲食はだめですが、異業種の経営者、見込み客、経営の参考になる情報を収集するためなどの理由があれば、事業に必要といえるでしょう。
ただ、その場合、その目的に対して、金額が多すぎないか、など不自然でないかの確認がされます。

いわゆる節税の方法は大別して、社長一族がもらうお金を費用にする方法と、保険などの費用を払って何年後かに返金される方法の、二つになります。
最初の方法が役員報酬、会社の家賃、貸付利息、退職金などの支払いです。
これらは、もらった個人に税金がかかり、法人税が安い現状では、節税にならない場合もあります。

二番目の方法は生命保険を掛ける、コンテナを買って賃貸する、足場を買う、飛行機やヘリコプターなど、いろいろありますが、最初だけ節税のその場しのぎ、とも言えます。
つまり何年間かを通算すれば、節税額は取り戻され、下手すれば実質の損をこうむることもあります。
さらに資金は何年間か寝てしまうので、資金繰りの悪い会社にはお勧めできません。

ただ、生命保険を本当に役員退職金に備える場合など、実際に役に立つこともあります。
会社の状況を考えて、賢い節税を心がけましょう。

2020年1月号

理士 白井 清一

子年の年頭にあたり

 新年おめでとうございます、今年も皆様の事業のご発展をお祈りいたします。

子年と言う事で、私の年となりました。子年というのは干支の始まりの年でもあり縁起の良い年である。一方では、猪の背中に乗ってきて降りたところが干支の初めの年だっただけじゃないか、と言われる事もあるそうです。

 論語では70歳を「従心」と言うそうですが、孔子は、70歳にもなったら自分の心のままに従って行動しても、その行動や言動の結果は常識や法律を逸脱するような事は無くなると言い、従心とはそのような年齢との事です。

 これを自分に当てはめてみると、従心を過ぎ人生の90%以上を使い果たしたというのに心の欲するままに行動したら世間から多くの非難を受けそうで、まだまだ修行が足らないことを痛感しております。

 自然界では、異常気象が毎年のように騒がれており今や「異常」が「通常」になりつつあります。また、人間界では異常社会現象というような事件や事故が相次いで発生しております。

 異常気象の原因とされる温暖化ガスについてCOP25で議論され、16歳のグレタという女の子が話題を集めましたが、この子に対してアメリカ、ロシアやブラジルの大統領までが温暖化などというのはデマだとか彼女は病気だなどと個人攻撃をしていました。大国の大統領などが子供に対して個人攻撃まですると言う事は、やはり温暖化による異常気象は危機的な状況にあるのかと改めて思ってしまいます。

 暮れの12日には、与党の税制調査会による税制改正大綱が発表されました。
最近の政界が「一強多弱」と言われる中で毎年与党の税制改正大綱がそのまま春の国会で各税法の改正となって施行されています。
来年度の税制改正大綱の内容は、国家予算が102兆円と昨年度から100兆円の大台を超えるようになり、大綱の内容も納税者にとって厳しいものとなっております。
税法の改正はこれからですが、我々に直接関係するような部分についてはその都度ご案内していきたいと思っております。

税理士 中山 吉晴

安くなる税金、ならない税金  その1

税金はいろいろありますが、工夫すれば安くなる税金と、安くならない税金があります。

次のような税金は、安くならない税金ですが、少しだけ工夫の余地があるようです。
印紙税
 最近の調査では、印紙税は、わずかの金額でも追加納税となります。
 たとえば、書類に印を押さなくても、署名をしたり、契約の意思が確認できると、課税文書になります。
 ただ、印紙税は文書に課税されるので、文書を作らなければ課税されることはありません。
 極端な話、契約書を作らずに、この取引内容でいいですか?というメールを相手先に送って、それでいいですよ、というメールをもらうだけなら、印紙税がかかる余地はありません。
 もっとも、それで後々トラブルになった場合に、大丈夫かは分かりませんが。
 せめて、文書を1通作って両者捺印し、片方はそのコピーを持つことで、印紙を1通分で済ませるくらいのことでしょうか

固定資産税
 土地・・・・更地に比べ、住宅用地は1/3、小規模住宅用地(200㎡以下)は1/6になります。
 (古い建物を取り壊すと税額が上がるのは、住宅用地から更地になるためです)
建物・・・・新築住宅は3~5年間税額が1/2になります
(だからといって、建物を建てるわけにはいきませんが)
償却資産税・・・買取でなくリースにする
(もちろんリース料は償却資産税などの維持費を織り込んで計算されています)
自動車税
 条件が同じ車であれば安くはなりませんが、大きい車を小さい車にする、エコカーにするなどで安くなります。また、家族や本人が障害者の場合、減免されます。
酒税、たばこ税
残念ながら禁酒・禁煙以外安くなりません!年末年始と、ずいぶん納税しています。
ゴルフ場利用税
 18歳未満、70歳以上、障害者は非課税です。(自分の意思ではどうにもなりませんね)
消費税
 外食ではなく、持ち帰り、出前にすると8%ですみますお酒は10%ですがノンアルコールビールは8%です(だからといって・・・)
登録免許税
 登記をする時に、登記料を払いますが、その金額の8割以上が登録免許税です。
 たとえば抵当権の設定の場合、借入額の4/1000になりますので、1億円借りると40万円かかってしまいます。
 頻繁に借りたり返したりする場合は、根抵当権にすることで節約できます。
贈与税
 ご存じでしょうが年間110万円の基礎控除があります。
 ただ、父から1月に60万、母から12月に60万もらうと合計120万円になり、課税されます。

紙面がいっぱいになってしまいましたので、安くなる税金の話は次回にいたします。