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MBC合同会計ニュース

2020年2月号

白井清一
税理士 白井 清一
確定申告と税金と予算

 いよいよ今年も2月となり確定申告のシーズンとなりました。コロナ禍の中昨年は期限が4月16日まで延長されましたが、現状を見るに本当に確定申告など期限内にできるのかなと思います。
 
 通常国会も開催され予算の審議も始まりました。今年の予算案の規模はマスコミによれば110兆円弱と過去最高となるとの事です。
 
 この予算の財源については、本来、全額税収によることが理想ですがコロナ禍での景気後退により税収分は全体の50%強で不足分は国債の発行により40%以上を賄うという財政健全化とはかけ離れたものになりそうです。
 
 このコロナ禍のなか、財政は国債に頼らざるを得ないのはやむを得ないのでしょうが、少子化・景気の後退・気候の温暖化など不安な要素を含んだ社会で過去からの分を含め莫大な国債の償還を子や孫の時代に引き継がせるというのが気がかかりです。
 
 このような財政状況の中、昨年の確定申告はどの程度予算に関係しているのでしょうか、内容を簡単に見てみましょう。
 
 国税庁発表の令和2年6月の「報道発表資料」によれば、確定申告の件数はここ5年ほど2,200万人ほどで大きな増減はありません。
 
 昨年の申告で、納税額のある人の申告が630万人で税額が3兆2千億円、還付申告の人が1,300万人、納税額がない人が270万人との事です。
 
 また、個人事業者の消費税については申告件数が110万件で納税額が6千億円となっています。
 
 消費税と所得税を合わせても確定申告における個人の税額は3兆8千億円程度と予算に占める割合は4%にも及ばないようです。
 
 この割合を見ると、確定申告で日本中大騒ぎするわりには財政収入に与える影響がいささか少ないように思われます。
 
 しかしながら、個人個人にとっては、ふるさと納税や医療費の還付を受けたい人、事情があって不動産をやむなく売却した人など個人の事情が反映された膨大な数の確定申告が今年も提出されることでしょう
 

中山吉晴
税理士 中山 吉晴
コロナ関連税制

コロナ禍が猛威を振るっていますが、税制の特例で、次のようなものがありますので、参考にしてください。
 
従業員に支給した次の見舞金は非課税です
①緊急事態宣言下で、「事業の継続を求められる業種」の従業員のうち
②多数の者との接触を余儀なくされる業務に従事する者(看護師、レジなど)で
③相当程度心身に負担がかかっていると認められる者に対する支給で
④その見舞金が心身に加えられた損害につき支払を受けるもので
⑤金額が社会通念上相当である(例示は5万円となっている
⑥役務の対価でないこと「事業の継続を求められる業種」とは「新型コロナウイルス感染症対策の基本対処方針」に詳しく業種が載っていますが、介護施設や病院、薬局、食品小売り、食堂、レストラン、宅配、生活必需品小売り、理美容、ゴミ処理、タクシー、トラック、育児などが入っています。
 
医療費控除について
・マスクやビタミン剤購入費は医療費控除の対象になりません。
・任意で受けたPCR検査の費用も医療費控除の対象になりません。
 (検査により感染が判明し、治療を受けた場合は対象になります)
 
固定資産税や償却資産税の軽減制度
2020年2月から10月のうち任意の連続する3ヶ月の収入が前年より
30~50%減少の場合  2分の1
50%以上減少の場合  全額
(申請が必要になります)
 
青色申告特別控除
通常55万円に減額されますが、e-TAXの場合は65万円のままです。
 
雇用調整助成金の収入計上時期
対象となる手当を社員に払ったとき(入金した時ではありません)
 
非常用食料品の備蓄費用(コロナとは関係ありませんが)
長期保存するものですが、購入、備蓄時点の費用になります。
在庫(貯蔵品)にならないかと感じますが、こういったものは消費することが目的ではなく、備蓄することが目的なので、備蓄した時点で費用となります。
消火器の中身なども同じ扱いになります。
ただし、そもそも、その備蓄が事業に必要かの判断は必要です。
地震などで数日間、従業員が会社に宿泊等する場合の備蓄などは認められるでしょう。
しかし、それを社内の通常の飲食で消費していたりする場合、給与課税される可能性があります。

2021年1月号

白井清一
税理士 白井 清一
配偶者居住権(続)

 新年あけましておめでとうございます。コロナ禍にもめげず今年は牛のごとくゆっくりと力強く進んで行きたいと思います。
 
 年明け早々の話としては好ましくないかもしれませんが、相続において重要ですので配偶者居住権についてもう少し話をさせて頂きたいと思います。
 
 配偶者がこの権利を取得するための条件は、①被相続人の所有していた家に、②相続開始の時において、③無償で、④配偶者自身が居住していることが必要とされています。この条件については、通常の家族関係であれば何ら問題は無いものと考えられます。
 
 この建物(家)ですが、被相続人が単独で所有していれば問題はありませんが共有の場合には注意が必要です。被相続人と配偶者で共有であれば被相続人の持分について居住権を設定できますが、被相続人と子供で共有している場合には子供の権利を侵害することはできませんので被相続人の持分に対しても配偶者居住権を設定することはできません。
 
 取得するには、どのような手続きが必要かと言うと、通常は相続開始後の遺産分割協議において居住権を配偶者が取得するという合意をします。財産分けの話し合いがつかず合意できないときは家庭裁判所の審判が必要になります。
 
 このような事態を避けるためにも以前お話した遺言書の作成が重要となります。
 
 遺言書作成で注意しなければならないのは、「妻〇〇に配偶者居住権を遺贈する。」と「相続」ではなく「遺贈」と表現します。
 
 配偶者居住権を分割協議や遺言で、何が何でも設定することが良いわけではありません。配偶者も相続が済んだら転居や施設への入所を考えるかもしれませんし、家を相続した子供などに事情があって、どうしても家を売らなければならない事態が生じるかもしれません。
 
 このような場合に、遺言であれば相続が開始してから配偶者が「遺贈」の部分を放棄し配偶者居住権を取得しないこともできます。
 
 また、取得した配偶者居住権を第三者に対抗するためには、その建物に配偶者居住権の設定登記が必要となります。
 
 

中山吉晴
税理士 中山 吉晴
IT時代の新しい取引の税金
最近、ネットオークションなど、個人で利益を得ることがいろいろありますが、そこにも税金がかかる場合があります。
特に会社経営をしている場合は、事業収入と見なされないかが、最大のポイントです。
 
ネットオークション収入
①会社の収入と見なされる場合
取引名義、購入時の資金源、入金する預金名義、メールアドレスなど、総合的に判断するので、 1つでも会社名義が無いようにしましょう。税務署が調べるときは、取引全てを把握することが可能です。
会社の経費で買ったもの(パソコンや飲み物、旅行チケットなど)を個人で売ったら?このお金を会社に入金しなければ、アウトです
それは、会社の売上除外(脱税)になり、そのお金を個人で貰ってしまったのですから役員賞与として個人にも課税されます。
いわゆるダブルパンチです。
例えば洋服小売りをしている社長が個人で洋服を売ると、会社の売上じゃないかと疑われます。
中古車販売業の社長が個人で車を売った、歯科医が金を売ったなど、本業と関連するものは疑われて当然ですので、要注意!
②個人で売った場合の課税は
個人のものを個人で売った場合には、次のようになります。
・服や本など「生活に必要な日用品」の売却は非課税
・宝石や貴金属、書画、骨董などは1個あたり30万円以下であれば非課税
(それ以上の場合は課税されるので、確定申告が必要)
友達のものを代わりに売ってあげて、1割お礼を貰った場合その1割が金額に関係なく課税されます
③カードに付与されるポイント
商品購入するとつくポイントは値引きの扱いなので課税されません。
ただ、抽選キャンペーンで付与されたポイントは一時所得として課税されます。(50万円の特別控除あり)